第6章   賃金委員会

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@賃金委員会を設置する。労働社会福祉事務次官を委員長とし、政府側を代表する者4人、使用者側及び労働者側を代表する者各5名で内閣の任命する者を委員とし、大臣の任命する労働社会福祉省の職員を事務局長とする。
A第1項に規定する使用者側委員及び労働者側委員の選出の規則手続きについては大臣の定める規則に従うものとする。

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@賃金委員会は次の権限責務を有する。
(1)賃金政策に関し内閣に意見具申すること。
(2)賃金決定及び年次の賃金改定に関し、民間部門に示唆すべく内閣に意見具申すること
(3)基礎最低賃金を定めること
(4) 経済社会の状況に適合する最低賃金を定めること
(5)賃金制度の発展のために内閣に意見具申すること
(6)民間部門の各種機関に対し、専門的助言と調整の方向を示すこと。
(7)賃金の状況及び賃金の傾向に関し、実施しなければならない措置とともに、少なくとも年1回以上大臣に報告すくこと
(8)本法または他の法律の規定により賃金委員会の職務とされている、または大臣の委任したその他の事項を実施すること
A大臣の意見具申の際、賃金委員会は国民所得の進展に関する観察に言及することができる。

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@内閣の任命による賃金委員会委員の任期は1期2年とし、退任した委員は再選されることができる。
A内閣に任命された賃金委員会委員が任期満了前に退任した場合、内閣は同じ区分の委員を後任者として任命しなければならない。新たに任命された者は交替した委員の任期の残余期間その地位に就くものとする。ただし、委員の残余任期が180日未満の時は、新委員の任命を要しない。
B内閣に任命された賃金委員会委員が任期満了により退任した場合で、未だ新しい委員の任命がなされてないときは、当該委員は新たな委員が任命され、職務に就くまで、暫時職務執行を行う。ただし、委員の退任した日から90日以内に新委員の任命を完了しなければならない。

第81条
80条に定める任期満了による退任のほか、内閣に任命した賃金委員会委員は次の場合に退任する。
(1)死亡
(2)辞職
(3)正当な理由なく3回連続して設定された会議を欠席したことを理由とする内閣による罷免
(4)破産者となった場合
(5)無能力者または準無能力者となった場合
(6)最終確定判決により禁固刑を受けた場合。ただし、過失による犯罪または軽犯罪の場合はこの限りではない。

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@賃金委員会の会議は、使用者側委員、労働者側委員各1名以上の出席を要し、委員総数の半数以上の委員の出席をもって定足数とする。
A79条に規定する基礎最低賃金または最低賃金を審議決定する会議においては、使用者側委員、労働者側委員各2名以上の出席を要し、委員総数の3分の2以上の出席をもって定足数とする。決定には出席委員の3分の2以上の票決を要する。
B最低賃金を審議決定する会議において第2項に定める定足数が得られなかった場合は、当該会議の日から15日以内に再度会議を設定するものとし、公社の会議においてたとえ使用者側または労働者側の委員が出席していなくとも、委員総数の3分の2以上の出席がある場合は定足数に達しているものとみなす。決定には出席委員の3分の2以上の票決を要する。

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@会議に委員長が欠席したまたは職務を遂行できない場合には、会議に出席していた委員の中から議長を1名互選する。
A会議の決議は多数決とする。1名の委員は1票を有するものとし、賛否同数の場合には議長が決定票を投ずるものとする。

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@賃金委員会は、委員会に代わっていかなる事項であろうとも審議または実施するための次の小委員会を任命する権限を与える。(1)最低賃金小委員会
(2)基礎最低賃金小委員会
(3)委員会が適当と認めるその他の小委員会
A委員会は、小委員会の定足数及び議事手続きを適切の定めるものとする。

第85条 
賃金委員会、小委員会または賃金委員会または小委員会の委任を受けた者は職務の遂行に際し、次の権限を有する。
(1)必要に応じ審議の参考にするため、文書により何人をも陳述に召喚し、または文書若しくは物をとりよせること。
(2)個人または団体に、経済に影響を与え得る可能性のあるあらゆる活動について調査を行うに際し、協力させること。
(3)79条の定めに従い審議を行うに際し使用する資料を得るための事業を研究、調査、考査、検査または審問するために営業時間中に事業所若しくは使用者の事務所に立ち入ること。この場合使用者または関係者は便宜を図り、文書を提出若しくは示し、または事実を示さなければならず、上述の者の職務執行を妨害してはならない。

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@85条に定める職務執行に際し、賃金委員会委員、小委員会委員または賃金委員会若しくは小委員会の委任を受けた者は、身分証明書または委任状を関係者に提示しなければならない。
A第1項に定める賃金委員会委員及び小委員会委員の身分証明書は大臣の定める様式によるものとする。

87
@最低賃金及び基礎最低賃金の審議決定に際し、賃金委員会は労働者が得ている賃金額に関する事実を検討審議し、その他の事実、特に、生活費指数、インフレ率、生活水準、生産元金、商品価格、事業所の支払能力、労働生産性、国内総生産及び経済社会の状況を参照しなければならない。
A最低賃金の審議決定は、業種別または地域別に定めることができる。
B最低賃金の審議決定は、賃金委員会の定めた基礎最低賃金を下回ってはならない。
C最低賃金の定めがない地域については基礎最低賃金を当該地域の最低賃金とみなす。

第88条
87条に定めるところにより資料及び事実を検討し終えたときは、賃金委員会は適当と思われるところに従い最低賃金及びその他必要な細則を決定し、官報に公示できるよう大臣に提出しなければならない。

第89条
88条の定めによる最低賃金を定める告示は、使用者及び労働者の国籍、宗教及び性別を問わず、使用者及び労働者に適用する。

第90条
@最低賃金を定める告示が施行された後は、使用者は、最低賃金を下回る賃金を労働者に支払ってはならない。
A最低賃金を定める告示の適用を受ける使用者は、労働者に周知するため、当該告示を、当該告示が有効である間ずっと、労働者の就労場所に掲示しなければならない。

第91条
賃金委員会事務局を労働社会福祉省内に設置し、次の権限職務を与える。
(1)賃金委員会及び小委員会に提出する企画及び計画を作成すること。
(2)賃金委員会及び小委員会の計画及び事業を関係機関を含め調整すること。
(3)賃金委員会及び小委員会の審議に関する資料とするため、経済、労働、生活状態、労働市場の拡大、労働生産性、投資、人口移動及び関係する情報資料を収集、検討、考査、分析または推定すること。
(4)賃金所得制度の発展のために、労働社会福祉省及び関係機関に対し、研究成果、専門的情報の検討結果及びその他補完的事項について検討すること。
(5)賃金委員会の決定に従った実施結果の追跡及び見積もり。
(6)賃金委員会または小委員会に委任されたその他の事項